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【1998年02月12日】ひとり言のようなものです(ひさし)

【ひさしさんの投稿】ラベル:経験

私が小学校の低学年だった昭和40年代の前半には、故郷では雪に全て

が埋もれてしまう冬の間、関東や関西の造り酒屋に“出稼ぎ”に行くお父さ

んが大勢いました。私の父は結局出稼ぎに行くことはなかったのですが、

毎年冬が近づく頃になると、家のとうちゃんも出稼ぎに行ってしまうんじゃ

ないかと、子ども心に心配したものです。

自分自身が単身赴任をするようになり、これも一つの出稼ぎのようなもの

だな、まあ、毎週末我が家に帰れる分だけはるかにマシだと思っていまし

た。

単身赴任を始めてからはや3年4ヶ月(2ヶ所目の赴任地)、これまで休日

は必ず我が家に帰宅しておりました。なんてったて、それを楽しみに仕事

をしているようなものですから。

ところが昨日(11日、建国記念の日)は、初めて帰宅しませんでした。週の

真ん中であること、先週仕事が忙しくて連日深夜まで働いた疲れが残って

いること、そしてやはりお金がかかってしまうことがその理由です。

風邪をひいてしまい、仕事を休んで寝込んでいたことはありました。でも、

動けるのに日中アパートに独りでいるのは初めてです。

洗濯をして、大掃除をして、カーテンまで洗って・・・・・。

我が家にいたら子どもたちにじゃまされてゆっくり見れないオリンピックを

じっくりテレビ観戦しました。原田の失敗ジャンプに落胆し、里谷の金メダ

ルに涙を流し・・・・・・。

買うだけでたまってしまった本を読みはじめ・・・・・・・・。

でも、やっぱり物足りなく、つまらないのです。たった24時間しかいれなく

ても、疲れた身体を引きずって帰ればよかったと後悔してしまいました。

家族は私のエネルギーであり、やすらぎを与えてくれるものであることが

よくわかりました。東京に出てきてから結婚するまで10年間一人暮らしを

していたくせに、たった一日の休日を過ごすことがこんなに苦痛だとは思

いませんでした。我ながら随分ひ弱になったものです。

しかしながら、お蔭様で体力はほとんど回復しました。今日、明日二日間

バリバリ働いて我が家に帰ります。たくましい父の顔で。